RAFIQ Magazine

2023年10月号

改正入管法で新たに設けられた「補完的保護対象者」の認定制度が、12月1日に施行されます。ウクライナ避難民等が想定されていますが、中東やアフリカでも武力紛争が頻発している状況で、母国から逃げざるを得ない人々の保護にどのように運用されるのかが注目されています。
難民認定においても認定・不認定の理由が明確ではないことが多く、申請する人が難民と補完的保護対象者の違いがわかるのかも気になるところです。

目次
1.ガザへの侵攻阻止は国際社会の責任で
2.寄稿 ようやく本人尋問!
3.チャリティランナーへの寄附のお願い
4.RAFIQ 11月の予定

1.ガザへの侵攻阻止は国際社会の責任で

今月7日、パレスチナのガザ地区からイスラエル領内に数千発ともいわれるロケット弾が発射され、ガザを拠点とするイスラム組織のハマスがイスラエル領内で軍事作戦を行い、イスラエルのガザ攻撃が始まりました。ガザの難民問題について、パレスチナ支援を行っているRAFIQ会員に聞きました。
「ガザ住民220万人の70%は、1948年のイスラエル建国時に故郷を追われた難民とその子孫です。イスラエルによる空爆やガザ北部への"退避勧告"で、22日現在140万人の国内避難民が出ています。封鎖下の空爆に加え地上侵攻の危機も迫るなか、水・医療品・燃料供給が止められ、58万人がUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)指定のシェルターにいます。
難民保護を任務とするUNHCRに比べ、UNRWAはパレスチナ難民への保護の任務が不十分だと指摘されています。ガザの難民キャンプやUNRWAの学校で死傷者が出ており、人々は『安全な場所はどこにもない』と訴えています。
ハマスの非難は簡単ですが、その背景の一つは、非暴力行動を含む彼らの抵抗を国際社会が受け止めず、イスラエルの国際法違反を放置してきたことです。その点で国際社会にも侵攻阻止のために行動する責任があると言えます。」(立命館大学生存学研究所客員研究員 金城美幸)

2.寄稿 ようやく本人尋問!

原告は、北アフリカの国に生まれ育ち、思春期のときに自身が同性しか愛すことができないことに気づきました。原告は、成人になり、愛する同性の方と交際しました。

しかし、原告の国では、法律上も宗教上も、同性愛は決して許されません。原告は、家族に交際が発覚し、激しい暴力・監禁を受け、最終的には車で轢き殺されそうにもなりました。
原告は、警察にも逃げ込みましたが、「今回は見逃してやるが、次は逮捕する」と追い返されてしまいました。
原告は、このまま国にいると、家族からの暴行でいつか殺されるか逮捕されてしまうと思い、出国を急ぎました。
比較的容易に入国できる国を探したところ、その国が日本でした。原告は、難民申請をしましたが、認められず、現在取消訴訟を提起しています。
この事件、もっといえば難民訴訟では、迫害国から逃げて来ているので、客観証拠がありません。原告の供述が多くを占めます。
この訴訟だけではありませんが、国側は、原告の話す内容に信用性がないと主張しています。
裁判所には、原告が話す内容が真実であると伝える必要があり、そういう意味で次回11月30日の本人尋問はこの訴訟の佳境を迎えます。
またこの訴訟では、国側は、原告は既に交際相手と別れたのであるから、国に帰っても迫害のおそれはないという旨の主張もしています。しかし、恋愛指向は、自身の気持ち如何によって変えることはできず、そもそも誰を愛するのかは本来自由であるべきことです。
この訴訟は、人間の尊厳をいかに守ることができるかを問われる裁判でもあります。
是非、皆さまに傍聴に来ていただき、原告を応援している仲間がたくさんいるんだと裁判官に本気度を伝えていただけたらと思います。(弁護士 松本亜土)
※11月30日の裁判傍聴については、下の「4.RAFIQ 11月の予定」を併せてご覧ください。

 3.チャリティランナーへの寄附のお願い

大阪マラソンにRAFIQのチャリティランナーで走ることになった会員の住江です。今回、RAFIQが大阪マラソンの寄付先団体に選ばれ、私の趣味がマラソンということで田中代表から声が掛かりました。私は2年ほど前からRAFIQの活動に参加していますが、職場の人や友達に詳しくRAFIQの活動や日本にいる難民が置かれている状況を話す機会はないままでした。チャリティランナーとして寄附を集めることで、周囲の人を介して多くの人に難民やRAFIQのことを知ってもらうきっかけができるのではと思い、チャリティランナーとして走ることにしました。
なお、大阪マラソンの参加費は一般ランナーと同様に私自身が支払い済です。チャリティランナーはそれ以外に7万円以上の寄附を集める必要があり、集まった寄附は全額RAFIQへの寄附となります。私自身も周囲への声掛けをしているところですが、このメルマガをお読みの皆さんもぜひご支援お願いします。
詳しくはこちら
http://rafiq-jp.sakura.ne.jp/W...
また、チャリティランナーの募集は11月17日17時までとなっており、まだまだ申込可能です。一般的に3か月練習すれば完走できると言われており、今からでも十分間に合います。    コンテンツ       3.チャリティランナーへの寄附のお願い大阪は道路が平坦で走りやすいので、初フルマラソンにもお薦めですよ

 4.RAFIQ 11月の予定

難民裁判の傍聴

RAFIQは、難民の裁判も支援しています。下記フォームから予約のうえ傍聴された方は、弁護士による説明会にも参加していただけます。
※場所はいずれも大阪地方裁判所(大阪市北区西天満2-1-10 )806号法廷です。裁判後の説明会は法廷から場所を変えて行います。
※時間は説明会(約1時間)を含み、終了時刻は予定です。

(1)難民不認定・在留特別許可不許可取消訴訟 11月9日(木) 16:00~17:30 
 予約:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf6-TteYSDvEKLuL5R6aWcm8vMetbVG6CAVboURox-dhsoCOw/viewform

(2)難民不認定取消訴訟 11月30日(木) 13:30~17:30
 本人尋問が行われます。※2.の記事参照
   予約:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSearlvYLNdFJjmOM06nzWtTFADHigZ8fX6yIrlAQo9oLy8NWA/viewform

難民初級講座「難民についてもっと知りたい」&ボランティア説明会

講座では日本に逃れてきた難民の現状と課題を、支援実績に基づき解説します。また、ボランティア説明会では、RAFIQの活動内容を具体例を挙げてご紹介します。受講された方にはRAFIQ編集のテキスト『もっと知ろう!もっと考えよう!難民のこと』をお送りします。
毎月第二土曜 次回11月11日(土) 

14:00~17:00 ※16:00からはボランティア説明会
オンライン(Zoom)で開催 要予約
参加費:2,000円(学生1,000円、RAFIQ会員1,000円)

予約:http://rafiq.jp/learn.html
※予約された方には開催の約1週間前に参加費の振込先をお知らせします。入金確認後にZoom ID等の詳細をお知らせします。

    難民カフェ

毎月第三火曜の夜は、大阪市内の古民家カフェで、難民をテーマに語り合う交流会を開催しています。RAFIQのメンバーを中心に難民当事者が参加することもあります。予約不要でどなたでも参加できます。
日時:11月21日(火) 19:00~21:00 
場所:サロン・ド・アマント天人(大阪市北区中崎西1-17-26)
参加費(カレー・チャイ付き難民支援カンパ):1,500円

日本に逃れてきた難民の支援にご協力を!
RAFIQは皆さまからのご寄付で、関西に暮らす難民を支援しています。
下記の方法で、ご支援お願いします。
RAFIQに支援金を送る
オンライン寄付サイト Give One で「困窮する難民申請者への生活支援事業」に支援金を送る
https://giveone.net/supporter/project_display.html?project_id=20367
Give Oneでの寄付は税金控除の対象となります。
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2023年 10月号  2023年10月25日発行
 
 発行:NPO法人RAFIQ  難民との共生ネットワーク

 ホームページ: http://rafiq.jp

 お問い合わせ:TEL・FAX:06-6335-4440
      rafiqtomodati@yahoo.co.jp
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