RAFIQでは、昨年9月から今年10月までの間に、関西国際空港に留め置かれた難民4名を救出しました。全員が世界的に有名な人権弾圧国や紛争国からの人です。
この人たちは、関空に到着後、空港内の出国待機施設に収容され、RAFIQのメンバーが迎えに行くまで、日本への入国ができないままでした。
RAFIQが加盟しているなんみんフォーラム(FRJ)は、2012年に法務省・日本弁護士連合会と3者で覚書を交わし、出国待機施設にいる難民の可能性がある人への支援を行ってきました。これは3者による「日本の空港において難民として庇護を求めた者に係る住居の確保等に関する事業」で、詳細と実績はFRJのホームページをご参照ください。
なんみんフォーラム(FRJ)報告 http://frj.or.jp/news/news-category/form-frj/3788/
この取り組みは、世界各国で行われている収容代替措置(Alternative to
Detention:略称ATD)に相当するもので、「入管収容は最後の手段としてのみ使用し、代替措置を追求すること」という考えに基づいています。EUでは27か国中25か国が実施しています。
日本版の問題としては、相談対応から住居確保、その費用負担まですべて民間の支援団体が担っていることです。収容しない取り組みは進みつつありますが、並行して行う難民認定申請の手続きや生活支援も支援団体の重い負担になっています。
そして、この対象にならないと、出入国管理及び難民認定法第27条の犯罪等を行うおそれがある「容疑者」として扱われ、「違反調査」の対象者となり、入管に収容されることになります。
収容を前提としない取り組みを進め、入管収容のあり方も変えていかなければなりません。
【参考】難民研究フォーラム 収容代替措置(ATD)各国制度比較
https://refugeestudies.jp/2020/11/research-atd/