RAFIQ Magazine

2024年4月号

出入国在留管理局(入管)での暴行事件が話題となっている昨今で、今月にもクルド人が収容中に職員から暴行を受けたとして、国に損害賠償を求める訴訟の高裁判決が行われました。明らかに、暴行だという証拠があるにも関わらず、断定されない状態の中、今回の裁判では「合理的に必要な限度を超えていた」とし違法と一審に続き認定されました。日本は、一見、とても穏やかで平和な印象であるものの、入管での実態などのように隠れた部分や知られていない部分を多く持っていると感じます。その知られていない部分が表に出たときに、多くの日本人が耳を傾けられるような社会であってほしいです。

目次
1.改正入管法の施行は6月10日から
2.アフリカ難民裁判の本人尋問報告
3.RAFIQ 5月・6月の予定

1.改正入管法の施行は6月10日から

昨年6月に成立した改正入管法は6月10日から施行されることが、4月5日の政府閣議で決定しました。
参照:法務大臣記者会見 4月5日
すでに昨年12月から補完的保護が実施されており、それ以外の項目になります。
RAFIQでは成立前からこの法案には多くの問題があると反対を表明しています。
RAFIQの加盟するなんみんフォーラム(FRJ)や移住者と連帯する全国ネットワーク
(移住連)などがコメントを公表していますのでご紹介します。従来の保証人から替わる監理人が難民を監視するような監理措置、3回目以降の難民申請者の送還等、問題点が明らかになっています。
全国難民弁護団連絡会議(全難連):http://www.jlnr.jp/jlnr/?p=9137

2.アフリカ難民裁判の本人尋問報告

4月22日に大阪地方裁判所でアフリカ難民の本人尋問がありました。難民不認定と在留特別許可不許可の取消しを国に求めている裁判です。傍聴席はほぼ満席で、関心の高さが伺えました。
この人からRAFIQに連絡があったのは、難民認定申請から3年が経過した2018年春、難民不認定となりこれを不服とする審査請求の段階で、難民審査参与員に対する口頭意見陳述の2週間前でした。証拠はほとんど提出できておらず入管からのアドバイスもありませんでした。
口頭意見陳述の資料提出期限は通常2週間前までです。RAFIQが入管に連絡しこれを1週間前までに延ばしてもらいました。それから、彼の持つ資料を翻訳し、出身国情報を探し提出しました。弁護士を探す時間もなく、代理人としてRAFIQの代表が同席しました。そして、3年後の2021年に審査請求も棄却され、「難民不認定取消訴訟」を提訴しました。
この間、彼の国ではクーデターが起き、多くの人が国内避難民や難民となって国外に出ています。彼の家族とも3か月前から連絡が取れなくなっています。審査請求が棄却されてからは在留資格の更新ができず、仮放免の生活が続いています。
本人尋問を傍聴したRAFIQ会員Mさんの感想です。
「証言の信用性を失わせようと些細な記載ミスの指摘等に終始する国側の姿勢に対し、どのような質問にも事実とその背景を丁寧に説明し続けるご本人の姿は対照的に感じられました。脅迫や暴力にさらされても勇気をもって行動した人を暴力が続く場所へただ送り返すのではなく、受け入れて共に生き共に貢献することを選択できる社会でありますように。
RAFIQでは生活支援も含めて彼の支援を行っています。今後ともご支援をお願いします。

 3.RAFIQ 5月・6月の予定

高槻ジャズストリート

RAFIQ発祥の地である大阪府高槻市で開催されるイベントにRAFIQがブース出展します。

社会貢献の広場でチャリティグッズの販売等を行います。

日時:5月4日(土・祝)10:00~17:00

場所:高槻城公園(高槻市城内町)       写真は昨年の同イベント

難民初級講座「難民についてもっと知りたい」&ボランティア説明会

毎月第二土曜開催の講座を、5月は日曜に開催します。日曜なら都合がつくという方、ご参加をお待ちしています。

講座では、日本における難民保護の現状と課題を海外との比較も交えて解説します。講座後のボランティア説明会では、RAFIQの活動内容を詳しくご紹介します。受講された方にはRAFIQ編集のテキスト『もっと知ろう!もっと考えよう! 難民のこと』をお送りします。
オンライン(Zoom)で開催 要予約

日時:5月12日(日)14:00~17:00 ※16:00からはボランティア説明会

参加費:2,000円(学生1,000円、RAFIQ会員1,000円)
予約:http://rafiq.jp/learn.html
※予約された方には開催の約1週間前に参加費の振込先をお知らせします。入金確認後にZoom のURL等を送ります。

難民カフェ
毎月第三火曜の夜は、大阪キタの古民家カフェで、難民の問題を語り合う交流会を開催しています。予約不要でどなたでも参加でき、難民当事者が参加することもあります。

日時:5月21日(火) 19:00~21:00
場所:サロン・ド・アマント天人(大阪市北区中崎西1-7-26)
参加費(カレー・チャイ付き難民支援カンパ):1,500円

 

講演会「外国人のヒューマンライツ」

6月20日は、2000年の国連総会で定められた「世界難民の日」です。これを記念して、6月15日にアムネスティ関西連絡会とRAFIQの共催による講演会を開催します。RAFIQも国際人権法について教えていただいたことがある講師の戸塚悦朗弁護士は、著書で「日本政府が外国人に対して 極めて『非寛容』」「その底には、政府を支える日本社会が人間に対しての『やさしさ』を欠いているという根本問題が横たわっている。」とし、 講演では「国内法は外国人に対してどのように向き合ってきたのか」などの視点から話していただきます。
オンラインと現地での参加が可能です。いずれも要予約。会場参加は先着50名。ぜひご参加ください。
日時:6月15日(土) 14:00~16:00   開場:13:30
場所:日宝
道修町ビル308(大阪市中央区道修町3-3-10)
参加費:300円 (会場参加のみ)

予約:https://x.gd/9IKqS

会場では、講演の後、戸塚弁護士の近著『外国人のヒューマンライツ』出版記念懇親会(16:30~18:30 参加費1,500円)にも参加していただけます。

日本に逃れてきた難民の支援にご協力を!
RAFIQは皆さまからのご寄付で、関西に暮らす難民を支援しています。
下記の方法で、ご支援お願いします。
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オンライン寄付サイト Give One で「困窮する難民申請者への生活支援事業」に支援金を送る
https://giveone.net/supporter/project_display.html?project_id=20367
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2024年 4月号  2024年4月25日発行
 
 発行:NPO法人RAFIQ  難民との共生ネットワーク

 ホームページ: http://rafiq.jp

 お問い合わせ:TEL・FAX:06-6335-4440
      rafiqtomodati@yahoo.co.jp
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