RAFIQ Magazine

2026年4月号

4月に入り、新しい季節が始まり、新生活を迎えている方もいらっしゃることでしょう。新しい出会いや発見があるこの時期ですが、社会の中でもさまざまな動きが見られています。

先日発表された難民認定数のニュースでは、日本の現状をあらためて見つめるきっかけとなりました。また、高市内閣による外国人政策についても、今後の方向性がどのように広がっていくのか、関心が高まっています。

日本に暮らす難民の今を、現場の目線でありのままにお伝えします。 

目次
1.入管での難民インタビュー(事情聴取)とその問題点
2.2025年日本の難民認定数発表:大阪入管の動向
3.高市政権の「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」
4.RAFIQ 今後の予定

.入管での難民インタビュー(事情聴取)とその問題点

来日した難民は、難民認定申請書や陳述書などを出入国在留管理局(入管)に提出した後、インタビューを受けます。インタビューは通訳を介して審査官の質問に答える形で行われ、その時間は数時間にわたり、時には10時間に及ぶこともあります。弁護士や支援者は同席できません。迫害の経緯について、日時や場所、出来事の順番などが細かく問われます。終了後、内容は一人称の日本語の調書としてまとめられ、本人は短時間で通訳を介して内容の確認と署名を求められます。

この調書は審査の主要な証拠とされ、申請書との日時や順序のわずかな違いが、不認定の理由とされることがあります。
しかし、長時間のインタビューで疲労した状態のまま、十分な確認ができるのでしょうか。通訳は難民の第一言語ではなく、第二言語であることも少なくありません。読み書きが不得手な人や、時系列の正確さを重視しない社会で育った人も多いのです。誤りやずれが生じることは避けられません。
それにもかかわらず、その調書は後に「証拠」として扱われ、些細な不一致が信頼性を否定する根拠となります。さらに、後日、本人が自分の言ったことを確認するために調書の情報開示請求をしても、その内容はほとんどが黒塗りで開示されないのが現状です。現在、この調書の開示を求める裁判が行われています。


2.2025年日本の難民認定数発表:大阪入管の動向

3月27日、出入国在留管理庁(入管庁)から2025年の難民認定数が発表されました。内容の評価については、すでに難民支援協会(JAR)や全国難民弁護団連絡会議(全難連)が意見やコメントを公表しています。

2024年6月に施行された入管法改定、そして2025年5月に発表された「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」の影響により、難民申請者を取り巻く状況はさらに厳しさを増しています。難民保護の観点からは、法改正の必要性が一層強く感じられます。

今回は、入管庁の発表の中から大阪出入国在留管理局(大阪入管)に関するポイントをまとめてお伝えします。

 

大阪入管の申請者数は全国と逆の動き

全国の難民認定申請者数は 11,298人(前年12,373人) と減少しましたが、大阪入管では 523人(前年239人) と、2倍以上に増加しています。

全国に占める大阪の割合は 4.6% と大きくはありませんが、地域としては明確な増加傾向が見られます。理由としては、万博の影響が多少あるのではないかと考えられます。

大阪入管での認定等については、1次審査での難民認定:5人、1次審査で難民不認定となった後に補完的保護対象者として認定:7人(うち5人はRAFIQの支援対象者)、難民不認定後の審査請求:165人、審査請求での難民認定:0人、審査請求での補完的保護対象者認定:1人となっています。

特に注目すべきは、取り下げ件数の多さです。大阪の場合、1次審査では96人(約18%)が、審査請求では29人(約18%)が取り下げています。命の危険から逃れて日本に来た人が、なぜ申請を取り下げざるを得ないのか疑問に感じています。

空港での保護につながる関西空港での一時庇護上陸は一人も許可されていません。申請者は10人で、うち9人が不許可、1人が取り下げとなっています。

RAFIQには、昨年、関西空港から「難民申請をしたい」と連絡してくる人がもっと多くいました。過去にはRAFIQの支援により、10人以上が一時庇護上陸を許可されていますが、昨年は全員が面会不可のまま、収容令書の対象者として入管施設に移送されています。空港で保護が行われず、難民申請手続きにアクセスできない状況が続いています。

最後に結果が出るまでの期間について、申請時に難民に該当しないB案件に振り分けられた人で4.3か月、一番多いD案件(難民の可能性が高い、該当しないのいずれでもない)の人で21.7か月と長期化しています。

このD案の人は最初の8か月は就労できません。生活に困難を抱えている中で、難民申請を行っている状況です。

【参考資料】

出入国在留管理庁「令和7年における難民認定者数等について」

https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/07_00058.html

難民支援協会「2025年の難民認定者数等に対する意見」

https://www.refugee.or.jp/report/refugee/2026/04/recog25/

全難連「入管庁発表『令和7年における難民認定数等について』・『令和7年の出入国在留管理業務の状況』を受けてのコメント」

http://www.jlnr.jp/jlnr/archives/9523

出入国在留管理庁「一時庇護上陸許可」

https://www.moj.go.jp/isa/refugee/procedures/higo_00001.html    

3.高市政権の「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」

毎年、政府は外国人受け入れについての総合的対応策を見直していますが、高市政権はこれまでの「共生」から「秩序」へ大きく政策を転換させました。これまでは外国人が日本社会に適応できるようにする共生のための取り組み(相談体制など)が主でしたが、今回は、国民の安全安心のための、秩序のための取り組みが強く打ち出されました。

まず、帰化や永住者の要件の厳格化、不法滞在者ゼロプランの強力な推進、在留手数料の大幅な値上げなど、外国人特有の在留資格関連が挙げられています。

そして、国民健康保険料の収納対策、医療費不払いへの対応、生活保護制度の運用の適正化など、社会保障制度等を外国人に限って規制する方向での検討が挙げられています。

さらに、土地取得規制に向けた検討が挙げられています。これは、SNSなどで広まった「外国人が水源地を買い占めている」「森林を取得し違法な開発をしている」「外国人の短期売買によりマンション価格が高騰」などの声に応えるものですが、今回の総合的対応策にも水源地の支障事例がないこと等が報告されています。また、既存の法律や取り組み等で対策できているなど、土地取得規制の必要性は見当たりません。

社会保障制度や土地取得など、国籍の有無に関係なく私たちが安定した幸せな生活を築いていくために必要な権利・自由を、高市政権の人気取りのために制限することを許してはなりません。(弁護士・RAFIQ副代表理事 弘川欣絵)


4.RAFIQ 今後の予定     

   ※掲載の予定は、予告なく変更となる場合がありますので、ご了承ください。

難民裁判

難民の裁判を傍聴し、その困難な状況を理解することも支援につながります。
この裁判は、1.の記事でも触れているように難民が入管で作成された自身の供述調書の開示を求めているものです。
RAFIQでは、閉廷後に担当弁護士による説明会を開催しています。傍聴と併せて説明会に参加ご希望の方は下記フォームからお申し込みください。
※いずれも時間は裁判後の説明会(約1時間)を含み、終了時刻は予定です。説明会は法廷から場所を変えて行います。

※裁判所入口では手荷物検査があります。時間に余裕をもってお越しください。
(1)
日時:6月8日(月)10:00~11:30 
場所:大阪地方裁判所(大阪市北区西天満2-1-10 )本館10階1007号法廷         
申し込み:https://forms.gle/gVBeQEJR8vy7obeL7
(2)
日時:6月12日(金) 14:00~15:30 
場所:大阪地方裁判所(大阪市北区西天満2-1-10 )本館10階1007号法廷 
申し込み:https://forms.gle/DPDu4dpCNRqVm38C7

難民初級講座「難民についてもっと知りたい」&ボランティア説明会

RAFIQ代表が、20年を超える難民支援の実績に基づき、日本の難民保護について解説します。また、ボランティア説明会では、RAFIQの活動について詳しくご紹介します。

受講された方にはRAFIQ編集のテキスト『もっと知ろう!もっと考えよう! 難民のこと』をお送りします。

オンライン(Zoom)で開催 要予約

日時:毎月第二土曜 次回5月9日(土)14:00~17:00 ※16:00からはボランティア説明会

参加費:2,000円(学生1,000円、RAFIQ会員1,000円)
予約:http://rafiq.jp/learn.html#main_learn_01
※予約された方には開催の約1週間前に参加費の振込先をお知らせします。入金確認後にZoom のURL等を送ります。

難民カフェ
緑に覆われた古民家カフェで、難民をテーマに語り合う交流会を開催します。どなたでも参加でき、難民当事者が参加することもあります。また、RAFIQの活動について質問できる機会にもなっています。
日時:毎月第三火曜  次回5月19日(火) 19:00~21:00  予約不要
場所:サロン・ド・アマント天人(大阪市北区中崎西1-7-26)
参加費(カレー・チャイ付き難民支援カンパ):1,500円  

関西に暮らす難民の支援にご協力を!
RAFIQは関西で暮らす難民を支援しています。
世界各地で紛争が繰り返され、RAFIQに助けを求めてくる人も絶えることがありません。
下記のいずれかの方法で、ご寄付をお願いします。
RAFIQに支援金を送る ワンコインからできる毎月寄付も選択できます!
https://congrant.com/project/cgrafiq/2933
オンライン寄付サイト Give One で「困窮する難民申請者への生活支援事業」に支援金を送る
https://giveone.net/supporter/project_display.html?project_id=20367
Give Oneでの寄付は税金控除の対象となります。
物品の寄付は「Amazonほしい物リスト」から
https://www.amazon.co.jp/hz/wishlist/ls/24LQ709VWW7PN/ref=nav_wishlist_lists_1
支援に必要な物をリストアップしています。

 

ご寄付いただいた皆さまに感謝いたします。物価高騰により支援にかかる経費もふくらんでいます。RAFIQの活動は、皆さまからのご寄付に支えられています。

 

 

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2026年4月号  2026年4月25日
 
 発行:NPO法人RAFIQ  難民との共生ネットワーク

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      rafiqtomodati@yahoo.co.jp
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