3月10日、「出入国管理及び難民認定法」及び関連法の改正案が閣議決定されました。主な内容は、①電子渡航認証制度(JESTA)の創設、②在留資格変更・更新等に関する手数料の大幅な改定です。
まず①について、現在、日本に観光等で入国する外国人の約8割は査証免除です。RAFIQに相談に来る難民申請者の多くは、観光ビザが数日〜1週間で取得できる日本を選んだと話しています。EUでは取得に2か月以上かかる国もあり、日本の制度が「駆け込み先」になっている現状を、私たちも実感しています。
しかしJESTAの導入にあたり政府は「不法残留等を企図する外国人の入国防止」を強調しています。入国前スクリーニングの基準は「出入国在留管理庁長官の通知」とされ、難民保護への配慮は明文化されていません。空港での難民申請者を保護する制度が存在しない中、この仕組みは難民を「不法残留の恐れがある者」とみなし、渡航前に排除する危険をはらんでいます。出入国管理の厳格化により不法残留を入国前に防止しようとするこの取り組みは、「秩序ある共生社会」という政府方針に沿うものです。
次に②の手数料改定について、在留資格変更・更新手数料の上限は6,000円から10万円へ、永住許可は1万円から30万円へと大幅に引き上げられます。昨年4月にも値上げが行われたばかりで、子どもも同額です。難民申請の審査期間は平均22.3か月(2025年3月発表)です。難民申請後には難民の可能性が高いかどうかで4つに振り分けられます。その中で最も多いD案件(難民の可能性が高い、明らかに該当しないのいずれでもない、判断が難しい案件)の人は、この間に約6回の在留資格更新が必要になります。仮に1回1万円でも6万円、家族ならさらに負担は増えます。しかも最初の8か月は就労できません。難民申請者に対するアジア福祉教育財団難民事業本部(RHQ)の給付金にもこの更新手数料は含まれず、費用負担が理由で難民申請を断念する人が出かねません。難民申請者の保護政策が乏しい中での今回の改定は、命に関わる問題です。
【参考】
法案内容:第221回国会(特別会)
https://www.moj.go.jp/isa/05_00054.html
難民支援協会「入管法改正案」における在留資格の手数料引き上げに対する意見
https://www.refugee.or.jp/report/refugee/2026/03/post-20164/
移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)
在留審査手数料を過大に引き上げる法案に反対する声明
https://migrants.jp/news/voice/20260316.html