ヒューライツ大阪 藤本伸樹
国連自由権規約委員会は2022年10月、自由権規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約)の日本政府報告書の審査を行い、数多くの懸念・勧告を盛り込んだ総括所見を採択しました。なかでも「難民・庇護希望者などの外国人の処遇」という項目のもと、入管施設で収容者を死亡に追いやる劣悪な処遇、就労が認められない仮放免者の不安定な生活、難民認定率の低さなどについて懸念が表明され、以下の勧告が出されました。
(a) 国際基準に沿った包括的難民保護法の整備。
(b) 適切な医療を含む収容施設の処遇改善。
(c)仮放免者への支援と、収入確保の機会付与。
(d)ノン・ルフールマン原則の徹底と、否定的決定への上訴機会の提供。
(e) 収容代替措置の創設、収容期間の上限設定、最短期間の収容、収容の合法性を判断する司法審査へのアクセス保障。
(f)入管職員への人権研修。
自由権規約委員会は、上記勧告および国内人権機関、子どもの権利に関する勧告に限り、3年以内にフォローアップ情報を提供するよう求めました。それを受け、日本政府は2025年11月、勧告に沿った権利保護に取り組んでいると主張した報告書を送りました。
しかし、日弁連が並行して送付した報告書の内容は日本政府とは全く異なります。2024年6月の改定入管法の施行後、3回目以降の難民申請者が17人も強制送還されていることや、2025年5月から始まった「不法滞在者ゼロプラン」などは勧告と相いれず、難民・庇護申請者の権利保障の進展は見られないと断じています。
<出典>
自由権規約委員会 日本の第7回定期報告に関する総括所見(2022年11月、外務省)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100698199.pdf
自由権規約委員会の総括所見に対する日本政府のフォローアップ(2025年11月、外務省)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100930238.pdf
自由権規約委員会の第7回総括所見に関する日弁連の報告書(2025年10月、日弁連)
https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/activity/international/library/liberty/251014_report_ja.pdf