RAFIQ Magazine

2025年10月号

4月から続いた万博もついに、閉幕しました。毎日、多くの来場者で賑わっていましたね。皆さんは行かれましたか?
身近な国から、日本ではあまり聞かない国などの異文化に触れ、発見や感動があり、多くの人を魅了しました。難民の出身国は、日本ではあまり耳にしない国も多いです。万博の開催で、難民出身国の素敵な文化を知りつつ、難民問題を知るきっかけになればと思います。
10月21日に高市早苗内閣が発足しました。政治の本来の仕事は、すべての人の人権が守られ、平和に暮らせる社会をつくることと思います。新内閣に期待ができるか見守りたいと思います。
 
目次
1.支援の現場から…大阪入管の収容者急増(続報)
2.寄稿 ヘイト増長が危惧される川口市議会の意見書
3.RAFIQ 今後の予定

.支援の現場から…大阪入管の収容者急増(続報)

 
先月号でお伝えしたとおり、大阪出入国在留管理局(大阪入管)の収容者が増加しています。
その後も状況は変わらず、9月・10月も増え、30名以上の方が収容されていることが確認されています。
RAFIQでは、面会希望者の増加に対応しできる限り面会を行っていますが、待ち時間も長く1回につき1〜2名しか対応できない状況です。
また、通訳の確保が難しく、頻繁な訪問が困難な状況です。面会時間は30分ですが、通訳を介すと実質10分程度しか会話ができません。
こうした制約の中で、RAFIQだけでは十分な支援が難しいため、大阪入管で面会活動を行っている「Save Immigrants Osaka」と連携を始めました。
そして、10月以降、数名が長崎県の大村入国管理センターへ移送されました。この人たちは大阪入管の収容が3か月ほどでした。
RAFIQでは、これまで関係のあった「移住労働者と共に生きるネットワーク・九州」に連絡し、協力をお願いしています。
さらに、名古屋入管への移送も始まっているようで、「名古屋難民支援室(DAN)」にも支援を呼びかけました。名古屋入管に移送された人は大阪入管での収容期間が約1か月でした。
収容された人たちの多くは、1か月ほどで難民申請の結果が出て不認定となるケースも少なくありません。
そのため、出身国の情報や証拠資料収集のサポートに加え、弁護士の受任が必要な場合もあります。各地の弁護士会や支援団体との連携がますます重要になっています。
また、入管から解放されるために必要な「監理人」が見つからない人への対応も急務です。今後、RAFIQでは全国の支援者とさらに連携を深めていきたいと考えています。
この収容者急増の傾向が大阪万博などの影響による一時的なものなのか、それとも長く続くのか引き続き注視していく必要があります。
この「RAFIQ Magazine」では、今後も入管収容に関する情報を随時お届けしていきます。

2.寄稿 ヘイト増長が危惧される川口市議会の意見書

                 弁護士 弘川欣絵
 
今年9月30日、埼玉県川口市の市議会で「不法滞在者ゼロプランの着実な実行等を求める意見書」が可決されました。この意見書は、川口市の人口約60万人のうち700人の仮放免のクルド人について「急増している」として、不法就労だけでなくゴミ出しや騒音など「市民生活への不安感」を解消するために、出入国在留管理庁が発表したゼロプランの実行が必要と訴え、送還や新たな収容施設の建設などを要求した意見書です。
世界中で毎年約1万人のクルド人が難民認定される中、日本では難民制度が始まって以来、たった1人しか難民認定されていません。クルド人の多くは、本来難民認定されるべき人たちです。このような状況を、地元の市議会が理解していないことは非常に残念です。また、3年前、入管法改悪に反対する当事者としてクルド人が声を上げてから突如始まったクルドヘイトを、この意見書がさらに権威付けしてしまうことを危惧しています。
川口市は大阪からは遠いですが、私もクルド人や周りで支える方々に連帯の意を表明し、クルドヘイトに対して抗議の声を上げ続けていきたいと思います。

3.RAFIQ 今後の予定     

   ※掲載の予定は、予告なく変更となる場合がありますので、ご了承ください。

難民裁判
裁判の傍聴で難民を支援しませんか?現在進行中の二つの裁判は、それぞれ難民認定を申請するにあたり入管で作成された供述調書の開示を求めているものです。下記フォームから予約のうえ傍聴すると、担当弁護士による説明会にも参加できます。
※いずれも時間は裁判後の説明会(約1時間)を含み、終了時刻は予定です。説明会は法廷から場所を変えて行います。
(1)
日時:11月11日(火) 13:30~15:00 
場所:大阪地方裁判所(大阪市北区西天満2-1-10 )本館10階1010号法廷 
(2)
日時:12月10日(水)10:00~11:30 
場所:大阪地方裁判所(大阪市北区西天満2-1-10 )本館10階1007号法廷         

予約:https://forms.gle/gm2WiXmGpVWkSzfPA

難民初級講座「難民についてもっと知りたい」&ボランティア説明会

これまで多くの難民を受け入れてきた欧米諸国などが、今は制限を強化し難民の行き場がなくなりつつあります。一方、日本は従来から難民に厳しいとされています。日本の難民保護の実態と課題について、長年の支援実績に基づき解説します。講座後のボランティア説明会では、直近の事例からRAFIQの難民支援についてご紹介します。受講された方にはRAFIQ編集のテキスト『もっと知ろう!もっと考えよう! 難民のこと』をお送りします。

オンライン(Zoom)で開催 要予約

日時:毎月第二土曜 次回11月8日(土)14:00~17:00 ※16:00からはボランティア説明会

参加費:2,000円(学生1,000円、RAFIQ会員1,000円)
予約:http://rafiq.jp/learn.html#main_learn_01
※予約された方には開催の約1週間前に参加費の振込先をお知らせします。入金確認後にZoom のURL等を送ります。

難民カフェ
月に一度、緑に覆われた古民家カフェで、難民がテーマの交流会を開催しています。難民の置かれた状況に心を痛めている方、難民が増え続けている今、何かできることはないかと模索中の方など、難民の問題に関心のある方ならどなたでも参加できます。
日時:毎月第三火曜  次回11月18日(火) 19:00~21:00  予約不要
場所:サロン・ド・アマント天人(大阪市北区中崎西1-7-26)
参加費(カレー・チャイ付き難民支援カンパ):1,500円  

日本に逃れてきた難民の支援にご協力を!
RAFIQは関西に暮らす難民を支援するボランティア団体です。
世界各地で紛争が多発し、RAFIQへの相談も増えています。
下記のいずれかの方法で、ご寄付をお願いします。
RAFIQに支援金を送る ワンコインからできる毎月寄付も選択できます!
オンライン寄付サイト Give One で「困窮する難民申請者への生活支援事業」に支援金を送る
https://giveone.net/supporter/project_display.html?project_id=20367
Give Oneでの寄付は税金控除の対象となります。
物品の寄付は「Amazonほしい物リスト」から
特に困窮している人には毎月、米や日用品を送り届けています。
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2025年10月号  2025年10月25日発行
 
 発行:NPO法人RAFIQ  難民との共生ネットワーク

 ホームページ: http://rafiq.jp

 お問い合わせ:TEL・FAX:06-6335-4440
      rafiqtomodati@yahoo.co.jp
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