RAFIQ Magazine

2025年7月号

今月、7月20日に参議院議員選挙が行われました。日本で暮らす難民をはじめ日本国籍を持たない外国人は選挙権がありません。日本政府からの助けが必要な外国人は選挙権がなく、声を上げることができない状態です。また、世界では、国籍があっても選挙権が持てない国もあり、選挙権を巡って争いが起きたり、難民となり母国を逃れた人もいます。選挙権を持っているということはそれほど重要な権利です。難民を含むすべての人々が住みやすいの日本社会となるために、私たち日本人にできることの一つが投票に行くことなのです。

目次
1.大阪入管に未成年者の収容について抗議文を提出
2.難民の医療支援
3.世界難民の日 関西集会に参加して
4.RAFIQ 今後の予定

.大阪入管に未成年者の収容について抗議文を提出

2025年7月22 日、大阪出入国在留管理局収容施設において、未成年者(18歳未満)が収容されている事実が確認されました。
7月25日、RAFIQは当該未成年者とその父親の速やかな収容解除を求める抗議文を大阪出入国在留管理局に提出しました。
政府は2016年以降、「18歳未満の未成年者は原則として収容しない」方針を掲げてきました(移住者と連帯する全国ネットワーク省庁交渉資料より)今回の収容はこの方針と明らかに矛盾し、子どもの権利条約をはじめとする国際人権基準にも違反する可能性があります。監護者との分離による心理的影響と、社会的支援の断絶が懸念されます。
私たちは引き続き当事者への支援を継続するとともに、関係団体および人権団体への情報提供を行う予定です。
 
全文はRAFIQのHPからダウンロードできます。

.難民の医療支援

現在、RAFIQで看護師として医療支援をしています。相談があった場合には生活面や市販薬の利用について助言をしたり、受診に同行したりしています。
受診に関する課題は大きく2つあります。

1つは言語の壁です。難民の方は日本語や英語でのやりとりが難しい方が多いため、翻訳アプリを使って病状の経過や症状の確認をしています。医師とのやりとりが上手くいかないと治療に必要な情報や、本人の希望が医師に伝わりません。つまり適切な治療を受けられなくなります。

また、受診は診察だけでなく、問診票を書いたり、検査や次回の予約、処方が出れば指示通りに薬を飲むことも必要です。これら一連の作業で言葉の問題が生じます。中には薬の飲み方が合っているのか心配で、痛みを我慢して薬を使っていないと言う方もいました。病院受診は言葉が通じても不安があるものです。受診サポートは医療的知識がなくても、そばに一緒にいるだけで難民の方の大きな安心になります。受診サポートをしてくださる方がもっと増えることを願っています。
次に、経済的な課題です。難民の方は経済的に困窮している方が多くいます。慣れない日本    コンテンツ      の生活で不安やストレスが多い上に、経済的困窮があると食事の偏りや、受診控えにもつながり、病気も重症化しやすくなります。アジア福祉教育財団難民事業本部(RHQ)の支援を受けている方は医療費の支援があります。RHQの支援がない方には「無料低額診療」という制度があります。こうした制度を使いながら安心して医療を受けていただきたいです。なお「無料低額診療」は使える病院は限られているので、詳細は市町村のHPでご確認ください。(RAFIQ会員 M・A)

 3.世界難民の日 関西集会に参加して

6月29日、アムネスティ・インターナショナル日本の協力のもと、RAFIQが主催する「2025世界難民の日関西集会」が行われました。スタッフとして参加した感想を述べたいと思います。
集会は現地参加とオンライン参加が可能なハイブリッド形式で行われました。配信については、経験を積んだ熟練スタッフが中心となり、私はそれを補佐するかたちで、配信状態のチェック、発表資料の共有等の作業を行いました。出だし、不慣れからミスもしてしまいましたが、その後は特にトラブルもなく集会を終えることができました。プロ級の腕をもつスタッフを間近でお手伝いできたことは、大きな経験となった気がします。
さて、集会では、あわせて5つの貴重な講演、報告が行われました。まず、名古屋、大阪、大村の入管施設の現状についてお話しいただきました。ついで、呉泰成さんより、韓国の入管施設の状況について、日本の状況とも比較しつつ、詳細にお話しいただきました。最後にRAFIQ代表理事より最近の難民支援の現場の状況について報告がありました。
特に気になった点ですが、入管施設の参観にあたって詳細な個人情報の提出が求められるという報告です。これは支援者を萎縮させてしまうものではないでしょうか。また、本来は難民に寄り添うべき存在である監理人が監視役とされ、罰則まで設けられていることに理不尽さを感じます。監理人という制度の建付けそのものにあらためて疑問を感じざるをえません。
終了後の打ち上げでは、先生方からさらに詳しいお話をおききすることができました。今後の活動への糧としたいと思います。(RAFIQ会員 M・K)

 4.RAFIQ 今後の予定

難民裁判
裁判の傍聴で難民を理解し支援しませんか。8月と9月の裁判は、それぞれ難民認定を申請中の人が入管で作成された自身の供述調書の開示を求める保有個人情報不開示取消訴訟です。下記フォームから予約のうえ傍聴すると、担当弁護士による説明会にも参加できます。

※場所はいずれも大阪地方裁判所(大阪市北区西天満2-1-10 )本館10階1007号法廷 です。裁判後の説明会は法廷から場所を変えて行います。

※時間は説明会(約1時間)を含み、終了時刻は予定です。

(1)8月18日(月)11:00~12:30 
   予約:https://forms.gle/rexLHirTGcpysGbv7
(2)9月8日(月)10:00~11:30 

難民初級講座「難民についてもっと知りたい」&ボランティア説明会

日本の難民保護について、制度の変遷や現状の課題等を諸外国とも比較しながら解説します。講座後のボランティア説明会では、実際の支援について直近の事例からご紹介します。受講された方にはRAFIQ編集のテキスト『もっと知ろう!もっと考えよう! 難民のこと』をお送りします。

オンライン(Zoom)で開催 要予約

日時:毎月第二土曜   次回8月9日(土) 14:00~17:00 ※16:00からはボランティア説明会

参加費:2,000円(学生1,000円、RAFIQ会員1,000円)
予約:http://rafiq.jp/learn.html#main_learn_01
※予約された方には開催の約1週間前に参加費の振込先をお知らせします。入金確認後にZoom のURL等を送ります。

難民カフェ
毎月一回、大阪キタの古民家カフェで難民がテーマの交流会を開催しています。予約不要でどなたでも参加でき、難民当事者が参加することもあります。また、RAFIQのメンバーから最近の活動状況を聞くこともできます。
日時:毎月第三火曜  次回8月19日(火) 19:00~21:00 
場所:サロン・ド・アマント天人(大阪市北区中崎西1-7-26)
参加費(カレー・チャイ付き難民支援カンパ):1,500円  

日本に逃れてきた難民の支援にご協力を!
RAFIQは関西に暮らす難民を支援するボランティア団体です。
世界各地で紛争が多発し、RAFIQへの相談も増えています。
下記のいずれかの方法で、ご寄付をお願いします。
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オンライン寄付サイト Give One で「困窮する難民申請者への生活支援事業」に支援金を送る
https://giveone.net/supporter/project_display.html?project_id=20367
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次回のRAFIQ Magazineは、9月下旬の配信予定です。8月はお休みさせていただきます。

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2025年7月号  2025年7月26日発行
 
 発行:NPO法人RAFIQ  難民との共生ネットワーク

 ホームページ: http://rafiq.jp

 お問い合わせ:TEL・FAX:06-6335-4440
      rafiqtomodati@yahoo.co.jp
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