RAFIQ Magazine

2024年6月号

今月は、日本の入管法改正や2023年の世界難民数の発表など、日本でも海外でも大きく取り上げられるニュースがありました。特に、入管法の改正については、日本にいる私たちのこれからの支援に大きく関わるところです。入管法の改正に伴い、難民の立場はさらに悪くなったと言えるでしょう。ただ、改正されてしまった今、これをどう乗り越えて難民と向き合っていくかが重要です。世界の難民数も過去最大となり、12年連続の増加と発表されました。この世界の危機的状況の中で、日本にいる私たちに何ができるのか。今月の難民の日(6月20日)をきっかけに、考えていきましょう。

目次
1.UNHCR 2023年の世界の難民数発表
2.アムネスティ 関西連絡会と共催で「 外国人のヒューマンライツ 」講演会開催
3.RAFIQ 7月の予定

1.UNHCR 2023年の世界の難民数発表

6月13日、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が紛争や迫害で強制移動を余儀なくされた人の数をまとめた年間統計報告書「グローバル・トレンズ・レポート2023」を公開しました。UNHCRは、6月20日の世界難民の日に合わせ毎年、この時期に前年の難民や国内避難民の数を発表しています。
そして、2024年5月時点では強制移動を余儀なくされた人が日本の人口に匹敵する約1億2,000万人に達したとの発表もありました。しかし、国内での報道が少ないのはどうしてでしょうか?
日本は昨年開催された難民に関する世界最大の会議「グローバル難民フォーラム」で共同議長国を務めています。日本国内でももっとこの問題に関心を持つ人が増えることを願います。
UNHCRがグローバル・トレンズ・レポートを公開したプレスリリースの表題には「急増する強制移動に対する無関心と行動の欠如に警告」と書かれていました。無関心な人が一人でも減るように取り組みましょう。
 
UNHCRプレスリリース
「グローバル・トレンズ・レポート 2023」 UNHCR、急増する強制移動に対する無関心と行動の欠如に警告 2024年6月13日
https://www.unhcr.org/jp/59097-pr-240613.html
 
【参考】数字で見る難民情勢(2023) UNHCR駐日事務所
https://www.unhcr.org/jp/global_trends_2023

<主な内容>
紛争や迫害によって故郷を追われた人 1億1,730万人
難民(UNHCR支援対象者)3,160万人
パレスチナ難民(UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)支援対象者 )600万人
庇護希望者 690万人
その他の国際保護を必要としている人 580万人
国内避難民 6,830万人
低中所得国での受け入れ — 75%
近隣国への避難 — 69%
18歳未満の子ども — 40%

2.アムネスティ 関西連絡会と共催で「 外国人のヒューマンライツ 」講演会開催

6月15日に戸塚悦朗弁護士の標記講演会を実施しました。会場(アムネスティ大阪事務所隣接の会議室)には 28名 、オンラインで40名の参加がありました。
戸塚弁護士は、「Human rights」を「人権」と翻訳し、憲法が保障する権利(人権)とは内容が異なるにもかかわらず、同義語的に使っていることの問題点について、そのことによって国際法による権利保障の視点が不可視化されていることを指摘されました。そのため、国際法が保障する権利を「人権」と訳さずに「ヒューマンライツ」と表示する必要性を提唱されました。
興味を引いたのは、明治時代の尋常小学読本にある桃太郎 説話の解説でした。桃太郎が鬼ヶ島へ 宝物を取りに行ったこと、門には鍵がかかっており、暴力で宝物を奪ったことは、刑法では押し込み強盗に該当すると。また、この説話はある意味、日本人と外国人との交流の原点といえる物語で、鬼とは外国人であり、仲間でなければ理由なしに物を取りに行ってもよいという内容であると。この講演会の動画は下記サイトにアップロード済みです。https://www.youtube.com/watch?v=xlPBKyeQ3RI
映画『ワタシタチハニンゲンダ』の高賛侑監督が特別参加され、外国人への差別を前に、一人ひとりが「自分は何ができるか?」を考えてほしいと話されました。アムネスティ日本 入管・多文化共生チームでは高監督と共同でこの映画の上映運動を国内、国外で進めることにしています。ご協力ください。
(アムネスティ・インターナショナル日本 関西連絡会 代表・RAFQ会員 野尻賢司 
 
アムネスティ・インターナショナル日本 関西連絡会 

 3.RAFIQ 7月の予定

難民裁判の傍聴

RAFIQは難民の裁判も支援しています。7月には2件の裁判を傍聴する機会があります。
2件ともアフリカ出身の人が難民不認定の取消し等を求めている裁判で、このうち4日の裁判では判決が予定されています。アフリカには国内で武力紛争が続いている国や、同性愛が法律で禁じられている国などがあり、故郷を離れざるを得ない人が多くいます。過酷な状況から逃れて来た人たちが自立して生きていくためには、粘り強い支援が必要です。
下記フォームから予約のうえ傍聴すると、弁護士による説明会にも参加できます。
※場所はいずれも大阪地方裁判所(大阪市北区西天満2-1-10 )806号法廷です。裁判後の説明会は法廷から場所を変えて行います。
※時間は説明会(約1時間)を含み、終了時刻は予定です。
(1)難民不認定取消訴訟 7月4日(木) 13:10~15:00 
 予約:https://forms.gle/pfvQxxktJhzWyTBM7
(2)難民不認定・在留特別許可不許可取消訴訟 7月9日(火) 10:00~11:30

 

難民初級講座「難民についてもっと知りたい」&ボランティア説明会

毎月開催のこの講座では、日本における難民保護の現状と課題について、入管法改正などの最新情報も交えて解説します。講座後のボランティア説明会では、RAFIQの活動内容を具体的にご紹介します。受講された方にはRAFIQ編集のテキスト『もっと知ろう!もっと考えよう! 難民のこと』をお送りします。
オンライン(Zoom)で開催 要予約

日時:7月13日(土)14:00~17:00 ※16:00からはボランティア説明会

参加費:2,000円(学生1,000円、RAFIQ会員1,000円)
予約:http://rafiq.jp/learn.html
※予約された方には開催の約1週間前に参加費の振込先をお知らせします。入金確認後にZoom のURL等を送ります。

難民カフェ

大阪キタの古民家カフェで第3火曜に開催している「難民カフェ」。予約不要でどなたでも参加できます。軽い食事をしながら、難民の問題についてざっくばらんに語り合いませんか?
日時:7月16日(火) 19:00~21:00  
場所:サロン・ド・アマント天人(大阪市北区中崎西1-7-26)
参加費(カレー・チャイ付き難民支援カンパ):1,500円 

 

日本に逃れてきた難民の支援にご協力を!
RAFIQは皆さまからのご寄付で、関西に暮らす難民を支援しています。
下記の方法で、ご支援お願いします。
RAFIQに支援金を送る
オンライン寄付サイト Give One で「困窮する難民申請者への生活支援事業」に支援金を送る
https://giveone.net/supporter/project_display.html?project_id=20367
Give Oneでの寄付は税金控除の対象となります。
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2024年 6月号  2024年6月25日発行
 
 発行:NPO法人RAFIQ  難民との共生ネットワーク

 ホームページ: http://rafiq.jp

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