RAFIQ Magazine

2024年5月号

6月20日は、「世界難民の日」です。難民の保護と支援に対して関心を高め、理解と支援を深める日にするため、制定されました。メディアでも取り上げられ、社会に対して、難民問題をより広められる機会となるはずです。小さな気づきが、大きな一歩になります。まずは、知ることから始めていきましょう。
国内では、昨年成立した改正入管法が、6月10日から施行されます。どのように運用されるかとても心配です。今国会では技能実習制度に替えて育成就労制度を創設する入管法の改正案も提出され、5月21日に衆議院で可決されました。この法案には永住許可の取消規定も含まれており、難民にも影響します。国会審議にも注目していきましょう。
目次
1.尼崎に新シェルター開設
2.夜間中学に通い始めたMさん
3.RAFIQ 6月の予定

1.尼崎に新シェルター開設

RAFIQでは、尼崎市の市営住宅の一室を利用して新しく難民支援用のシェルターを開設することになりました。
これまで既存のシェルターでは部屋が足りない場合、その都度外部のゲストハウスを借りていましたが、今回自前のシェルターを追加で確保することにより、低コストで安定的な住居提供ができることになりました。
部屋は3DKで、5月に家具・電気製品を搬入し、6月には入居が可能になります。先日は室内清掃で8人のボランティアが集結しました。写真はその時の様子です。
入居する難民の方々には、市営住宅内での清掃活動(月1回)に必ず参加してもらいます。RAFIQの担当者は、この清掃活動に加えて時々訪問して状況確認をするとともに、難民の方々の生活支援をしたり、何か近隣住民との連絡事項がある場合には仲介役にもなる予定です。
入居する難民の方々が快適に過ごせるように、また近隣の住民の方々のご理解をいただきながら、RAFIQが目指す「難民と一緒に暮らせる街」のために尽力したいと考えています。

2.夜間中学に通い始めたMさん

昨年秋来日した難民のMさんが夜間中学に通い始めました。
アフリカの某国から来日したMさんは教育歴がありません。祖国で学校に通えるような環境がなかったのです。ご家族とも離れ離れとなり、想像もできない過酷な状況で一人で生きてこられました。母語は祖国の地方の言語、それに加えて英語もフランス語も話せるのですが、読み書きが苦手です。
そんな彼女に夜間中学入学の案が持ち上がったのが昨年の12月。1月に在留カードが出たので、急いで市の担当の方と連絡をとり、本人を含めて夜間中学の先生方と話し合いを重ね、見学を経て、まずは、1か月の体験入学。本人の意思を再確認し、4月から中学入学を許されました。普段、感情をあまり表に出さない彼女ですが、正式に入学が決まった時は喜びいっぱいのメールが届きました。今は、バイトをしながら毎日、通っています。「日本語は、英語ともフランス語とも全然違うからとても難しい。でも、わからない時はネパール人の友だちが英語で教えてくれる」と、笑いながらうれしそうに話します。きめ細かいフォローをしてくださる先生方にも支えられています。
学校での学習経験が少ない彼女にとって、すべて日本語で、中学の科目を学ぶことは苦労が多いと思います。でも、ゆっくりでいいから勉強を続けてほしいものです。友人を作り、日本語を身につけ、日本社会、そして、祖国の状況や世界のことを知り、彼女の新しい人生が開けることを願っています。彼女を担当するスタッフみんなで、今後も、つかず離れず、サポートを続けていきます。(RAFIQ会員 Hさん)

 3.RAFIQ 6月の予定

難民カフェスペシャル 映画×難民の出身国料理×トーク

大阪キタの古民家カフェで毎月第3火曜に開催している「難民カフェ」。6月は「世界難民の日」を記念して、日曜日の23日に映画「医学生 ガザへ行く」の上映会と併せて開催します。3回上映しますので、お好きな回を予約してご参加ください。また、イエメン等、難民の出身国料理を提供します。
※オンラインでの参加はできません。※6月18日の難民カフェはありません。

日時6月23日(日)
 第1部 上映 13:00~14:30、トークと交流 14:30~15:15
 第2部 上映 15:30~17:00、トークと交流 17:00~17:45
 第3部 上映 18:00~19:30
場所:サロン・ド・アマント天人(大阪市北区中崎西1-7-26)2Fミニシアター
映画「医学生ガザへ行く」
参加費:中学生以上1,000円(当日、会場でお支払いください。)
定員各回30名(要予約、下の予約フォームからお申し込みください。
難民の出身国料理(ドリンク付き)1,000円(※映画の参加費とは別。当日、会場でお支払いください。)先着60食 アマント天人1Fで提供します。
共催NPO法人RAFIQ 難民との共生ネットワーク、サロン・ド・アマント天人

                                                            写真は昨年の難民カフェスペシャル

講演会「外国人のヒューマンライツ」私たちは外国人に対してどのように向き合っていくべきか?

「世界難民の日」を記念して、アムネスティ・インターナショナル日本・関西連絡会とRAFIQの共催による講演会を開催します。講師の戸塚悦朗弁護士に「憲法以下の国内法は外国人に対してどのように向き合ってきたのか」などの視点から話をしていただきます。
オンラインと現地での参加が可能です。いずれも要予約。会場参加は先着50名。
日時:6月15日(土) 14:00~16:00   開場:13:30
場所:日宝
道修町ビル308(大阪市中央区道修町3-3-10)
参加費:300円 (会場参加のみ)

予約:https://x.gd/9IKqS

会場では、講演の後、戸塚弁護士の近著『外国人のヒューマンライツ』出版記念懇親会(16:30~18:30 参加費1,500円)にも参加していただけます。

難民初級講座「難民についてもっと知りたい」&ボランティア説明会

20年を超える支援実績をもとに日本における難民保護の現状と課題を解説します。講座後のボランティア説明会では、RAFIQの活動内容を実例を交えてご紹介します。受講された方にはRAFIQ編集のテキスト『もっと知ろう!もっと考えよう! 難民のこと』をお送りします。
オンライン(Zoom)で開催 要予約

日時:毎月第二土曜 次回6月8日(土)14:00~17:00 ※16:00からはボランティア説明会

参加費:2,000円(学生1,000円、RAFIQ会員1,000円)
予約:http://rafiq.jp/learn.html
※予約された方には開催の約1週間前に参加費の振込先をお知らせします。入金確認後にZoom のURL等を送ります。

日本に逃れてきた難民の支援にご協力を!
RAFIQは皆さまからのご寄付で、関西に暮らす難民を支援しています。
下記の方法で、ご支援お願いします。
RAFIQに支援金を送る
オンライン寄付サイト Give One で「困窮する難民申請者への生活支援事業」に支援金を送る
https://giveone.net/supporter/project_display.html?project_id=20367
Give Oneでの寄付は税金控除の対象となります。
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2024年 5月号  2024年5月25日発行
 
 発行:NPO法人RAFIQ  難民との共生ネットワーク

 ホームページ: http://rafiq.jp

 お問い合わせ:TEL・FAX:06-6335-4440
      rafiqtomodati@yahoo.co.jp
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