RAFIQ Magazine

2023年9月号

RAFIQで出会う人は、出身国も抱える事情も様々です。以前は相談者の多くが単身者でしたが、今は小さな子どもと一緒の人も珍しくありません。私たちにとっては初めての国の人も増えています。言葉も文化も異なる人たちと理解し合うことは難しいけれど、通じ合えばお互いに楽しい発見もあるはずです。

目次
1.RAFIQは9月から21年目の活動に入りました
2.難民の口頭意見陳述に参加して
3.難民認定申請のサポート体験談
4.RAFIQ 10月の予定

1.RAFIQは9月から21年目の活動に入りました

2002年8月4日に発足した「RAFIQ」は、9月からが新年度です。
今年度(2023年度)もご支援をよろしくお願いいたします。
この1年は、「持続可能な難民支援」に向けて法人化への取り組みを進めてきました。2023年3月17日に特定非営利活動法人(NPO法人)として認証されました。ホームページ等も改定しました。これまでの活動報告も載せています。
難民支援では、2023年3月15日に「ウガンダのLGBT難民訴訟」に勝訴しました。RAFIQが支援した裁判としては初めての勝訴です。たくさんのご支援ありがとうございました。
3月7日に問題の多い「入管法改正案」が閣議決定されてからは、廃案に向けた様々な取り組みを行いました。残念ながら6月9日に成立し、一年以内の施行が予定されていますが、まだ諦めてはいません。
昨年10月にコロナの入国制限が緩和されてから現在まで、新規入国者からの相談が増えています。加えて、今年の9月からはコロナ以前に難民不認定に対する審査請求を行っていた難民の口頭意見陳述が実施されるようになり、この対策等も必要になり法的支援メンバーがフル活動している状態です。
就労資格がなく困窮する難民も多く、住居、医療、生活用品等への支援が過去最大になっています。
ぜひ会員になってRAFIQの活動を支えてください。
会員登録には、毎月開催している「難民初級講座」への受講が必須です。講座の詳細は、下の「4.RAFIQ 10月の予定 」をご覧ください。
また、ご寄付もよろしくお願いいたします(「10月の予定」の下に支援金の送り先を掲載しています)。

2.難民の口頭意見陳述に参加して

9月中旬に大阪出入国在留管理局で、RAFIQが支援している人の難民認定に関する口頭意見陳述があり、RAFIQからも弁護士と一緒に代理人として参加しました。
この人は2017年9月に難民認定申請を行い、2019年7月に不認定とされ、同日に法務大臣に「審査請求」を行っていた難民です。4年間も放置されていたことになります。
審査請求は、難民認定を申請し「不認定」とされた人が不服のある時に異議申し立てをし、救済を求めることができる制度です。書面による審理に加え、請求者側からの申し立てがあれば、「難民審査参与員」は、その人に口頭で意見を述べる機会を与えなければなりません。これが今回RAFIQも参加した口頭意見陳述です。
この参与員は法務大臣が任命し、3人一組のチームで本人から聞き取りを行い、法務大臣に意見を進言します。しかし、実際には口頭意見陳述が不要と判断されて実施されていないことが多く、コロナ以前から問題になっていました。また、入管法改正案の審議過程でも、特定の参与員に担当数が偏っていることなど様々な問題が明らかになっていました。
【参考】
全国難民弁護団連絡会議「日弁連推薦参与員アンケート結果報告書」(2023年5月15日)
http://www.jlnr.jp/jlnr/?p=8672
出入国在留管理庁 難民審査参与員一覧(2023年9月1日現在 109名 )
https://www.moj.go.jp/isa/refugee/resources/nyuukokukanri08_00009.html
RAFIQでは、以前から難民の口頭意見陳述に参加してきました。今回は3年ぶりの参加でした。
担当の参与員は3名ですが、名前は明かされませんでした。
以前と比べると、迫害理由に添った質問が多く、供述の変遷や資料の信憑性についての質問は少なくなったように感じました。提出資料は、参与員の理解が得られやすいように工夫もしました。チームによる差はあると思われますが、今回は参与員が資料を読み込み、十分に下調べもされているようでした。
今回の難民申請者は日本語が堪能だったため、通訳なしで臨みましたが3時間も掛かりました。
RAFIQ関係では、12月までにさらに4件の口頭意見陳述が予定されています。今回の結果はまだ出ていませんが、難民条約に則った適正な審査で、一人でも多くの難民が認定されることを期待しています。

 3.難民認定申請のサポート体験談

今年7月からRAFIQの法的支援メンバーに加わっています。
8月初めに一人のアフリカ難民の方が事務所へ相談に来られ、話をした結果、RAFIQで難民認定申請をのサポートをすることになりました。本人から聞き取りをしながら、難民認定申請書の記入を行い、9月初めに大阪入管へ申請書を提出しました。

申請書類は無事受理され、これから認定手続が始まります。今後は証拠資料集め、陳述書作成・提出等のサポートを続けていくことになります。
難民支援で難しいのは言語の問題で、特に本人がサインをする書類の提出が必要な場合は、提出する書類の内容を本人が十分理解していることを確認しながら進めることが求められます。今回の場合、母国語をフランス語に通訳してもらい、それを翻訳ソフトで日本語に変換するという複雑なプロセスでした。
難民認定手続の過程において、提出する書類の記述内容は大変重要であり、今後も本人から引き続区切りき聞き取りを行いながら、事実関係を明確に記述できるように努力していきたいと思います。(RAFIQ会員 Bさん)

 4.RAFIQ 10月の予定

難民裁判の傍聴

RAFIQは、難民の裁判も支援しています。今回は、難民認定の申請中にもかかわらず在留期間の更新が許可されなかった処分の取消を求めている裁判です。一審で敗訴し、大阪高等裁判所での控訴審を傍聴します。裁判傍聴はだれにでもできる難民支援の一つです。下記フォームから予約のうえ傍聴された方は、弁護士による説明会にも参加していただけます。
日時:10月4日(水) 10:30~11:30 

   ※説明会の時間を含み、終了時刻は予定です。
場所:大阪高等裁判所(大阪市北区西天満2-1-10 大阪地方裁判所別館)82号法廷
   ※裁判後の説明会は法廷から場所を変えて行います。
予約:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeXT0rJH3S_6CTbpOV2G4iDEannKmpoihLP7EhBpuMDHsuRpw/viewform

難民初級講座「難民についてもっと知りたい」&ボランティア説明会

難民保護の現状と課題を、支援の実績に基づき解説します。講座後のボランティア説明会では、難民の生活支援や市民啓発などRAFIQの活動を具体例を挙げてご紹介します。受講された方にはRAFIQ編集のテキスト『もっと知ろう!もっと考えよう!難民のこと』をお送りします。
毎月第二土曜 次回10月14日(土) 

14:00~17:00 ※16:00からはボランティア説明会
オンライン(Zoom)で開催 要予約
参加費:2,000円(学生1,000円、RAFIQ会員1,000円)

予約:http://rafiq.jp/learn.html
 
※予約された方には開催の約1週間前に参加費の振込先をお知らせします。入金確認後にZoom ID等の詳細をお知らせします。

    難民カフェ

毎月第三火曜の夜は、大阪市内の古民家カフェで、難民をテーマに語り合う交流会を開催しています。RAFIQのメンバーを中心に難民当事者が参加することもあります。予約不要でどなたでも参加できます。
日時:10月17日(火) 19:00~21:00 
場所:サロン・ド・アマント天人(大阪市北区中崎西1-17-26)
参加費(カレー・チャイ付き難民支援カンパ):1,500円

日本に逃れてきた難民の支援にご協力を!
RAFIQは皆さまからのご寄付で、関西に暮らす難民を支援しています。
下記の方法で、ご支援お願いします。
RAFIQに支援金を送る
オンライン寄付サイト Give One で「困窮する難民申請者への生活支援事業」に支援金を送る
https://giveone.net/supporter/project_display.html?project_id=20367
Give Oneでの寄付は税金控除の対象となります。
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2023年 9月号  2023年9月25日発行
 
 発行:NPO法人RAFIQ  難民との共生ネットワーク

 ホームページ: http://rafiq.jp

 お問い合わせ:TEL・FAX:06-6335-4440
      rafiqtomodati@yahoo.co.jp
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